2014年9月21日日曜日

[漫画感想文:起動警察パトレイバー]読み終えて。

…いやまあなんだ、読み途中に感想文として投稿はしたんだけどねw

さて今回は機動警察パトレイバー(以下パトレイバー)のシーンの話を。


作品にはここぞというシーン、引き付けるシーン等々あるわけですが、パトレイバーでもそういうシーンがあります。読んでいって「おお!」となったりぐっと来るシーンね。


ですが作中に全体を通して、作者に照れがあるのかそういうシーンって実は結構少ないと感じます。
例えば課長の出るシーンなんですが、課長が出て来る時って大体は問題が有ってシリアスなシーンなんだけど、どことなく抜けてるよね。

後ろで聞き耳たててるって時に両手を耳に当ててたり、後藤隊長を起こる際に飛びついてたりとシリアスに行くはずのシーンで動きがコミカルだし、息子の事で部下に謝ってたりとかわいんだよw

「なにかこう犯罪が~」ってやってるシーンが唯一課長のいけてるシーンかな。


大半のキャラクターがユーモアを持ち、シーンを重くしたりしなかったり息抜きがある為に全体が柔らかく、その所為かシーンの引き付けるのもゆったりした感じになっているのかもしれません。なので盛り上がるシーンというか見せ場が少ないんだよね。


で、パトレイバーでうちが一番だと思ってるシーンは、そのお陰か盛り上がる演出もなんも無いシーンです。
そのシーンとは終盤に野明がAVRを起動した瞬間です。

パトレイバーは主人公の野明が成長する物語なのですが、このシーンには野明がAVRに乗ってて居るんだけど、起動前に操縦席に居るカットが少しでその後は起動した後にトレーラーからAVRが出てきてからです。あすまもいるけど他の二課も面子は他所にいるので出てこず、賊と篠原の人らの方が多くでてるくらいです。

レイバーに関しては手長猿だけでAVRも起動した瞬間は写ってないし、写っても起動してから。そしてずっと野明がずっと乗ってきたイングラムなんて全く出る気配すらもない。

21巻の98-100ページあたりだね。

では何でまたこのシーンが一番の盛り上がりかというと、直前でもちょろっと書いてるけどパトレイバーは野明がイングラムに乗って成長する物語なのですが、野明は警官としての仕事としての日々を送っていき出動要請があって初めて搭乗するんよ。搭乗してる際も隊長やあすま等の指揮の下にイングラムを運用するわけです。

このシーンでは何時も仕事として乗ってるイングラムでもなく、命令下で起動させたわけでもないんよ。
つまりAVRを起動させた瞬間、今までレイバーに乗るのは仕事だったのに自分でやらなきゃならない事、言わば使命として行動し、仕事じゃなくなってるんだわ。この瞬間になんとも言えんこみ上げる物があるわけですよ。

普通ならその後のイングラムに乗ってグリフォンと戦うのが一番の盛り上がりなんだろうけど、あれは決着をつける為の業務だね。だから一番のシーンではないんよ。


パトレイバーが明らかな見せ場って言うのが薄いのが良かったのか、今までの積み重ねであのシーンが一番だと思えるのかもしれません。


という事で読む機会があったらじっくり読み返し、様々シーンを感じ取ってみてはいかがでしょうか。


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んー、思い起こすとパトレイバーの話の緩急とでもいうのかバランスはメタルギアに通じるものがあるね。欧米などの緊迫したシーンのみの構成だと疲れちゃうので合間々々にユーモアを入れて休憩を挟むってやつ。それのお陰で最後まで通せるのかもしれん。


#漫画感想文

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