2014年11月27日木曜日

[小説感想文:龍は眠る/著:宮部みゆき]うちの中には二匹の蛇が居ります。

さて龍は眠るを読み直しました。二回目です。

宮部作品の特徴だなと思う事の一つは、タイトルが全面に出過ぎていないってとこかな。
タイトルに関るシーンは中盤とラストだけ。読者はタイトルを頭の隅に置きつつ読むので、効果的なんだよね。
しかもタイトル選択も良い。ちなみにうちだったら龍ではなく蛇にしちゃいそうだし、眠るではなく目覚めるとかおどるにしちゃうかも。

そしてもう一つは小説の内容が男性的とでもいうのかな、感覚がさ。それでいて男性特有のセンチメンタルとでもいうのかな、妙は感情はなく男臭い。変なところに描写を凝ったりもしない。だから誰でも読み易いと思うんだよね。

さて内容ですが、小野不由美の魔性の子を思い出すんだよね。登場人物的な重なりだけでなく、雰囲気がさ。空気感と人物の距離とでもいうのかね。一人称書かれ、それぞれの人物も個性がしっかりしてるし、物語的な嘘っぽさを感じない。そのお陰かすんなり入り込める気がします。この物語は判り易いハッピーエンドの娯楽作品じゃないけど、読んだ後の良さがあるんだよね。決着が付いて次に進んだと感じるからだろうか。

詳しい内容はここで全く書く気は無いので、タイトルと表紙だけ観て、まずは読んでみてはいかがでしょうか。

#小説感想文

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